ABICが大学や社会人講座、オープン・カレッジなどに提供してきた講座の中で、根強い人気を維持する一つが「外国為替入門」である。大学では貿易論や国際経済論の講座の一部として、全くの基礎的な原理だけを説明することが多いが、社会人向けの講座では、実際に外貨預金を運用したり、会社で海外ビジネスを担当する人たちに、より現実的なものの見方、裏話を語る場合もある。
実際に海外で働き、為替で苦労してきた商社マンや銀行マンの受け止め方を伝える試みは、2002年の早稲田大学エクステンション・センターでの講座に始まるが、明治大学のオープン・カレッジであるリバテイ・アカデミーからも殆ど同時期にご依頼を頂き、以後現在まで引き続きロングセラーとしての評判を保っている。
この外為講座を現在取りまとめている石橋満氏(元 丸紅)が、今回日本ビジネスマネジメント学会の第6回全国大会で「外国為替のリスクマネジメント」と題し、学会発表を行い、好評を博した。実務経験の豊かな当センター会員にはいわずもがなのことながら、とりわけ「リスクをとらないこともリスクである」という説明が、聴講者には新鮮な納得をもたらしたようだ。
これまで、このようなテーマが象牙の塔ともいわれる学会で取り上げられることは希少であり、激変する企業環境に耐えうるビジネスマネジメントの研究を旗印に掲げる同学会の姿勢を多とするだけでなく、今後も同様なテーマで当センター会員のアカデミックな意見発表の場となることを期待したい。なお今回、同学会の理事に澤田豊治ABIC会員(元 住友商事)が推薦、選任されたのでご参考までに付記する。
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