本書は、米国勤務や海外出張、国際会議参加等の海外経験豊かな著者が、市民大学講座や勤務する大学の学生向け英語の授業の中の「コーヒーブレイク」で教えてきたものを纏めたものである。
帯に「英語ペラペラ幻想の『体脂肪』を落とす英語シェイプアップ」とあるように、日本人の英語学習を難しくしている原因や、日本人が本当に身につけなければいけない英語表現、英語を習う上で役立つヒント等を中心に、非英語ネイティブで「純国産」の日本人として学ぶべき「骨太の英語」や「英語メタボ症候群」への処方箋が書かれていて、興味を惹く。
5つの章からなる192の項目は、すべて独立・完結していて、どこから読んでも良いようになっているが、独特のユーモアを交えた語り口は、英語参考書というよりは、読者に語りかける「エッセー」に近い。
「shitはハシットナイ」、「had
better:〜した方が良い、はあまり使わない方が良い」、「『すみません』ではすみません」、「After you. Thank you:お先にどうぞ、ありがとう」、「doggie
bagは堂々と」、「『社会の窓』が開いている」、「エイリアン(alien)としての入国審査、ひるむことなかれ」等々。
どれもまさしく「目からウロコ」であり、思わず膝を打ちたくなる。終章は、「英語ペラペラ幻想」を一刻も早く捨てて、非英語ネイティブの日本人として、自分の意見をきちんと伝えられる「骨太の英語」を学ぶ必要性についての著者の熱い思いが貫かれていて、圧巻である。
英語に自信のある人はもちろんのこと、これから英語を本格的に学習したい人や、一度は諦めたものの英語の勉強を再開したいと考えている人に、英語学習の勇気と元気を与える1冊である。
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