マンスリー・レポート No.107 (2009年11月)
活動会員のレポート
  第8回大津市立粟津中学 国際理解学習(3年生対象)に参加して
たちばな 弘志ひろし (元 三井物産、関西デスク プロジェクトスタッフ)

ロシアについて講義する筆者
河原田校長先生(左から2人目)と講師
左から高嶋会員、大久保会員、筆者、赤田会員

 ABICの小中高校国際理解教育支援の一環として2002年に始まり、今回8回目を迎えた滋賀県大津市立粟津中学校への講師派遣授業が2009年11月27日に実施された。

 同校では国際理解教育を目的として、ABIC会員による特別授業を取り入れてこられ、今回は授業対象国をブラジル、インド、中国、アメリカとして準備を進めたが、アメリカを担当する講師の都合により、急きょアメリカに代わって、ロシアとすることとなり、文字通りBRICsについての授業となった。

 この授業は各国の事情に精通したABIC会員を講師として派遣し、各国の事情を分かりやすく説明することのみならず、聞き手となる中学生が、それぞれの国情をより身近に感じられるように、食文化、スポーツ、音楽、服装や生活習慣にも言及し、多面的に解説するものである。
 毎回、各講師は資料のほかに、スライド、写真、ガイドブック等を持参し、工夫を凝らした授業を行っているので、日頃の授業では得られない知識を中学生が知り得る良い機会となっている(今回講師を担当したABIC会員とテーマは下記参照)。

 各々のクラスで、生徒は、事前に担任の先生の指導の下、まず、「世界が、もし100人の村だったら」というテーマで世界における日本の位置付けと自分達がどんなに恵まれた環境にいるかを学び、次いで各国の事情を自ら学習し、クラス内で班毎に発表をするという過程を合計4校時にわたり経験した。

 ABIC講師による授業当日は、各クラス共、各々の学習結果を発表することから始まり、次いで講師が生徒の興味をより多く引き出せるように話をするという流れで行われた。生徒の事前学習と仕上げとしてのABIC講師の話が相呼応して、生徒の理解が広がり且つ深まる効果が発揮されたと言える。
 この効果は、授業中の生徒との活発な質疑応答で手応えが感じられたことや後日入手した先生方のご手配による生徒の感想文にも表れていた。

 今回の授業実施に際し、河原田校長先生、寺西教頭先生をはじめ、西本先生、田村先生ほかクラス担任の先生方のご尽力を得ることが出来、授業後先生方から感謝のお言葉を頂くことができた。
 生徒の感想文を読まれた河原田校長先生からは、「生徒の外国に対する興味を深めることができ、多くの生徒が将来海外に出ていき活躍することを願う」と、授業の成果を評価して頂くとともに、本授業に対するABICの支援に感謝する旨のお便りを頂いた。2010年度も同中学校の新3年生への授業をより効果あるものにできればと願う。

(順不同、敬称略)
テーマ 講師名 元勤務先
中華人民共和国について学ぼう 高嶋 宏臣 三菱商事
ブラジルについて学ぼう 赤田 堅丸紅 丸紅
インドについて学ぼう 大久保 浩司 三井物産
ロシアについて学ぼう 橘 弘志 三井物産

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